日本の伝統文様とは?
日本には、古くから親しまれている柄、伝統文様(伝統模様)がたくさんあり、衣類や調度品など、さまざまなものに用いられてきました。
もともとは、飛鳥時代~奈良時代に中国から伝わった文化の影響を受けたものでしたが、やがて日本独自の解釈やデザインが生まれ、その種類も豊富になっていきました。
身近な動植物や縁起がよいとされるモチーフから生み出された文様には、健康や繁栄などへの願いが込められています。
そんな文様をあしらったモノたちは、昔の人々の日々の暮らしに、さぞかし安心や楽しみをもたらしてくれたことでしょう。
今も色褪せることなく、私たちの暮らしを彩る日本の伝統文様を、Takumi Japan広報隊長ウエムラが、少しずつご紹介してまいります。
記念すべき、第1回目は「亀甲文様」です。
亀甲文様ってどんな文様?どうして縁起がいいの?
亀甲文様とは、漢字から想像できる通り、亀の甲羅の形に由来する文様のこと。
写真からもわかる通り、亀の甲羅の中心部分、頭から尻尾にかけて六角形が連続して並んでいますね。実際の亀の甲羅は、種類や個体によって個性豊かな六角形をしていますが、亀甲文様は正六角形です。
亀甲文様と一口にいっても、そのバリエーションはさまざま。亀甲文様の家紋もたくさんあります。
この亀甲文様は、古くから長寿や健康の象徴とされてきました。その理由は、甲羅の主である亀が、ゆっくりと成長し、長生きするから。
亀の平均寿命は、ペットとして飼育される小型のカメで15~30年、ウミガメでは30~50年、リクガメでは50~80年ほど。でも、その倍以上、長く生きる個体もいるそうです。
人間よりずっと長生きの亀もいるのですね。
そして、堅い甲羅や六角形という安定した形は、身を守る、丈夫といったイメージをもたらしたようです。
縁起のよいもので長寿や健康を願う気持ちは、今も昔も変わらないのですね。
亀甲文様をあしらった工芸品
日本の伝統工芸品にも、この文様はしばしば使われています。ご参考までに、Takumi Japanでお取扱いしている作品をご紹介します。
「八角 蓋付菓子器 亀甲」 箱根寄木細工
「珈琲碗皿 桜小紋 緑水玉 手描き」 山口義博 九谷焼
「砂鉄瓶 肩衝亀甲 1.2L」 佐藤清光 山形鋳物
鉄瓶の表面全体に亀甲文様をあしらった作品です。拡大してみると「亀甲梅鉢」と呼ばれる文様のようです。これは、豊臣家の家臣であった平塚氏が使用していたそうです。
長寿を願って、祖父母や両親へのプレゼントにいかが?
日本では、60歳(還暦)、70歳(古希)、77歳(喜寿)、80歳(傘寿)、88歳(米寿)、90歳(卒寿)、99歳(白寿)、100歳(百寿)で、長寿を祝う慣わしがあります。
日本以外の国でも、長寿を祝う風習はあるようです。
祖父母や両親の節目のお祝いに、長寿・健康の願いを込めて、亀甲文様の工芸品を贈ってみてはいかがでしょうか。
Takumi Japan
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