和紙/文具とは
和紙は、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)などの植物の繊維を原料とした日本古来から作られている紙。ざらっとした手触りで、耐久性、保存性にたいへん優れている。読み書きにまつわる筆、墨、硯や、計算を補助するためのそろばんは、昔から人々の暮らしや文化に欠かせない文具で、それらは現代にも受け継がれている。
7世紀に中国から紙漉きの技術が伝えられ、日本でも紙作りが行われるようになった。当時の紙は非常にもろく、保存性が低かったことから、日本在来の楮の皮の繊維を使ったり、新しい技法を開発するなどの改良を行い、約100年後には薄くても丈夫な紙が作られるようになった。
書画の用紙、障子紙、照明器具、壁紙、人形やお面作りなど、さまざまな用途で使われている。海外の本や美術品などの修復にも多用されている。
内山紙
越中和紙
美濃和紙
越前和紙
因州和紙
石州和紙
阿波和紙
大洲和紙
土佐和紙
筆、墨、硯、そろばん等の起源はすべて中国。日本では、筆は8世紀頃から、墨は9世紀頃から、硯は11世紀頃から作られている。仏教の伝来により写経が盛んに行われるようになると、筆の需要も高まり、各地で生産が行われるようになった。その後、仮名などを書くのに適するよう改良が加えられ、さらに読み書きの教育とともに、庶民にも普及していった。そろばんが日本へ伝わったのは、1570年代頃とされる。江戸時代に「和算」という日本独自の数学が発展し、それに伴い、現代に受け継がれる日本式のそろばんが作られるようになった。
筆、墨、硯は、書画を学んだり、楽しんだりする人々に愛用されている。そろばんは、現在でも授業や教室、使い方を学ぶ場があり、計算を助ける道具として一部で活用されている。
豊橋筆
播州そろばん
奈良筆
雲州そろばん
川尻筆