お茶の味を美味しくする常滑焼の急須
おいしいお茶を淹れる要素は、いろいろあります。茶葉の種類やグレード、淹れ方、水などは、すぐに思いつきますよね。でも、あまり意識されていないのがお茶を淹れるのに欠かせない急須。
今回は、お茶を美味しくする日本の伝統工芸品・常滑焼の急須を、Takumi Japan広報隊長ウエムラがご紹介します。
常滑焼の朱泥の急須の秘密
常滑焼の急須で淹れたお茶が美味しくなる理由って、なんだと思いますか?
それは、素材。
常滑焼を代表する赤茶色の急須は、「朱泥」という粘土質の土を原料としています。
この土は鉄分を多く含んでいて、お茶の成分であるタンニンと反応して渋みや苦みを和らげます。また、急須の内部表面は多孔質でタンニンを吸着しやすく、苦味や渋みを減らしてくれます。
つまり、お茶がまろやかで美味しくなるのです。
この土を使い、釉薬を使わずに焼成した陶器(=焼き締めの陶器)も「朱泥」と呼ばれています。
常滑焼の朱泥の急須、あれこれ
Takumi Japanでも、常滑焼の朱泥急須をお取扱いしているので、いくつかご紹介します。
まずは、梅の花を彫刻した作品。蓋と本体の柄が合うようになっていて素敵ですね。容量が210mlなので、かなり小ぶりの急須です。
「12号 朱泥梅彫急須 木箱付」 舜園
次は、急須表面に文字が書かれた作品。作品名にある「六歌仙」とは、『古今和歌集』の序文に名前が記された6人の歌人、在原業平・僧正遍昭・喜撰法師・大友黒主・文屋康秀・小野小町のこと。ここには、その6人が書いた和歌と歌人の名前が書かれているのです。
「14号 朱泥筋引六歌仙 木箱付」 玲光
最後の急須は、こちら。黒っぽいのに朱泥?とちょっと疑問に思いますよね。これは、朱泥焼き締め焼成後に還元燻し焼成を重ねたことで、このような色になっているのだそうです。多孔質で鉄分を多く含んでいる点は変わらないので、美味しいお茶を飲めます。
「黒窯変福形紫襟巻急須」 宇幸窯
朱泥の急須で美味しいお茶を飲もう
茶葉、淹れ方など、すべてに気を遣えば、より美味しくなるのですが、ちょっとハードルが高いですよね。でも、朱泥の急須を使うだけなら楽ちん。
急須を変えるだけでも、今までより、おいしいお茶を飲めるようになりますよ。
Takumi Japanのサイト内で「朱泥」というキーワードで検索していただくと、作品が表示されます。ぜひ、朱泥の急須をチェックしてみてください。
Takumi Japan
https://japantakumi.com/