日本の伝統文様とは?
日本には、古くから親しまれている柄、伝統文様(伝統模様)がたくさんあり、衣類や調度品など、さまざまなものに用いられてきました。
もともとは、飛鳥時代~奈良時代に中国から伝わった文化の影響を受けたものでしたが、やがて日本独自の解釈やデザインが生まれ、その種類も豊富になっていきました。
身近な動植物や縁起がよいとされるモチーフから生み出された文様には、健康や繁栄などへの願いが込められています。
そんな文様をあしらったモノたちは、昔の人々の日々の暮らしに、さぞかし安心や楽しみをもたらしてくれたことでしょう。
今も色褪せることなく、私たちの暮らしを彩る日本の伝統文様を、Takumi Japan広報隊長ウエムラが、少しずつご紹介してまいります。
第2回目は「青海波文様」です。
青海波文様ってどんな文様?どうして縁起がいいの?
青海波文様は、未来永劫へと続く幸せや平穏な暮らしへの願いを込め、無限に広がる穏やかな波を表現した文様です。
海の波頭(はとう、なみがしら)になぞらえ、円弧を同心円状に重ねた扇形を鱗のように連続して描いたもので、縁起のよい柄として知られています。
青海波文様は、日本では着物や浴衣、帯の柄などによく使われる柄です。その他、風呂敷や手ぬぐい、がま口など、和雑貨の柄としても親しまれていますね。
「青海波」という呼び名は、平安時代に、この柄の衣装を着て舞った雅楽の演目に由来すると言われています。
青海波文様をあしらった工芸品
日本の伝統工芸品にも、この文様はしばしば使われています。ご参考までに、Takumi Japanでお取扱いしている作品をご紹介します。
「魯山人うつし 九谷風 鉢 手描き」 寺前瑛生 九谷焼
「デミタスカップ&ソーサー 千鳥」 青郊窯
「がま口 波に千鳥 4寸」 小園敏樹 鎌倉彫
木彫りした青海波文様に漆を塗り、皮と融合させた個性的ながま口です。こちらも、千鳥が一緒にデザインされています。
平穏な暮らしを願って、青海波文様を日常に
上記うちの2作品に、青海波文様と一緒に描かれている千鳥もまた、縁起のよいモチーフとして知られています。
波と一緒に飛ぶ千鳥は「波千鳥」と呼ばれ、「波とともに乗り越える」という意味があり、家内安全の象徴とされています。
なんだか、ますます縁起がいいですね!
こうしたエピソードを知っていると、買う楽しみや使う楽しみも倍増しますよね。
家族の末永い平穏な暮らしを願い、青海波の文様を日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。
Takumi Japan
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