奈良墨の起源は奈良時代の初期。興福寺の二諦坊(にたいぼう)の燈明の煤を膠と練り合わせて作っていた油煙墨(ゆえんぼく)に由来する。写経や経典の木版刷りなどに使用する墨の需要が高まるにつれ生産も盛んになった。良質な奈良の墨は、当時の奈良の別称にちなみ「南都油煙墨」と呼ばれ、全国に知れ渡っていった。●2018年伝統的工芸品指定
従来の荏胡麻油に代わる原料として菜種油が伝えられると、さらに良質な墨が安価で大量に作られるようになり、墨作りはますます盛んになった。
現在は14軒の奈良墨屋が、かな用、水墨画用など用途別の墨、色味の異なる墨、形やデザインにこだわった墨などを、伝統を受け継ぎながら生産しており、奈良県は墨の全国シェア90%超を誇る一大産地となっている。
CRAFTS CREATOR
古梅園
WORKS
33,000円(税込)