房州うちわは、京うちわ、丸亀うちわとともに、日本の三大うちわとして知られている。関東地域では、江戸時代にうちわ作りが行われており、良質な竹の産地だった房州(現在の立山市・南房総市近辺)は、当時から江戸などへ竹材の出荷を行っていた。そんな房州でうちわ作りが始まったのは、明治時代になってから。●2003年伝統的工芸品指定
竹の丸みを生かした「丸柄」と呼ばれる柄と格子模様の美しい骨組が、房州うちわの最大の特徴。1本の丸い女竹の上部を48~64等分に割き、糸で格子模様に編み込んで柄と一体の骨組みを作り、和紙や布を貼って仕上げる。
美人画や浮世絵など伝統的な絵柄が主流だったが、近年は民芸調のものや現代的なものなどバリエーションも豊富。