江戸時代、京都の染師や絵師が江戸に移り住んで、さまざまな技法が伝えられたのが東京手描友禅の始まり。染物に欠かせない水資源が豊富な墨田川や神田川沿いには、多くの職人が住んでいた。江戸友禅とも呼ばれ、当時の町人文化を背景に、色味や色数を抑えた粋で洗練された模様が特徴。●1980年伝統的工芸品指定
1673年には、日本橋に越後屋呉服店(現在の日本橋三越)が創業し、神田川上流に染工場も造られるなど、友禅染はますます発展していった。
東京手描友禅は、京友禅、加賀友禅とともに、日本三大友禅に数えられているが、他の友禅染と違い、多くは、図案から仕上げまでの全工程を1人の職人が行う。着物、羽織、帯、和装小物など、それぞれの職人の個性光る友禅染が生み出されている。
CRAFTS CREATOR
紺野明