室町時代には、すでに生産されていたという雄勝硯。江戸時代の初期、牝鹿半島に鹿狩りに訪れた仙台藩主伊達政宗に硯を献上したところ、賞賛され褒美を授かったという逸話がある。また二代目藩主忠宗は硯の美しさに魅了され、硯師をお抱えとし、一般の採石を禁じた。●1985年伝統的工芸品指定
雄勝硯は黒または暗藍色、なめらかで光沢がある石肌が特徴。墨との相性も抜群で、発墨も良好。また、圧縮や曲げに強く吸水性も低いため耐久性が高いなど、硯石としてたいへん優れた性質を持つ。
国内の天然硯石生産のシェア90%を誇っていた雄勝は、2011年の大震災により甚大な被害を受けたが、少しずつ復興の道を歩んでいる。硯のみならず、建築資材や食器などの素材としても活用されている。
WORKS
41,300円(税込)