江戸時代、当時の肥後藩主が名匠を招き、刀剣の鐔(つば)や鉄砲の銃身に象嵌の技術を用いて装飾を施したのが、肥後象嵌の始まり。1870年の廃刀令により、士族などが刀を身につけることが禁止されると、装身具、装飾品などが作られるようになった。●2003年伝統的工芸品指定
鉄の地に細かい刻み目を入れ、金泊や銀箔を打ち込む「布目象嵌」の技法で作られるものが主流で、黒字に映える金銀の装飾は品格を感じさせる。
ペンダントや指輪、ブローチ、ネクタイピンなどの装飾品のほか、象嵌で装飾したペーパーナイフ、万年筆、ストラップなどが作られている。2019年に開催された女子ハンドボール世界選手権のメダルには肥後象嵌が採用された。
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