信楽焼は、奈良時代に聖武天皇が紫香楽宮(しがらきのみや)を造営した際、瓦を焼いたのが起源とされる。鎌倉時代後期には常滑焼の影響を受け、穴窯によって甕、種壷、すり鉢などの日用雑器が焼かれるようになった。●1975年伝統的工芸品指定
その後、加飾の技術が進み、絵付けを施した器が焼かれるようになったり、茶の湯文化の発展によって茶道具の生産が盛んに行われるように。江戸時代には、登り窯の普及で日用雑器が大量に焼かれ、明治時代には、なまこ釉という青白い釉薬を施した火鉢の生産が主力となった。
耐火性に富み、細工しやすい土質を生かし、たぬきやふくろうなどの置物、観葉植物の鉢や衛生陶器など、大物から小物まで、さまざまな焼物が作られている。
CRAFTS CREATOR
松本伴宏